賃貸のおもしろい結果

良好な住環境の維持、商業の利便の推進、工業の利便の推進などを目的に、地域が都市計画法に定められている。 一概に「工業」と名がつく地区だ、と敬遠せずに候補としてよく調べてみるのもよいだろう。
 買い物の便を考えると、近隣商業地域なんかがよいように思いがちだけど、にぎやかなショッピングエリアは、それだけ不特定多数の人が行き来するわけだから、マンションの敷地内だけでなく、周辺のセキュリティという点ではおすすめできない。  逆にちょっとうらぶれた感じの商店街だったりすると、一気に大規模開発、ということもあるから、周辺環境が大きく変わってしまう可能性もある。
大規模開発で君たちが買ったマンションよりもグレードの高いものができれば、資産価値の低下、ということも十分考えられるわけだ。  同じように、1〜2階に店舗が入るような高層マンションの場合も、いちばんのポインドはセキュリティだ。
1棟にマンションの住居部分とショッピングエリアが同居する場合は、それぞれの入り口がきちんと分けられていなくてはならない。 また、住民用とショッピング客用の駐車場がどれだけ区分されているかも確かめておこう。
車で外出から戻ってきたら、自分の駐車スペースに他人の車が停まっていた、という情況も実際にあるんだよ。  M君は学生時代の下宿の1階にデリバリーピザショップが入っていたことがあったよね。

すぐ上の階で「すきっ腹にこたえる」と言っていたけど、テナントの種類によっては、上層階ににおいが上がってくることもあるし、オートロックもなんのその、ゴキブリにエレベーターで上がってこられても大いに困る。  なんでも便利なことばかり期待していると、思わぬ落とし穴が隠れていることがあるから、十分注意することだよ。
主として環境悪化をもたらすおそれのない工業の利便増進を図る地域。 主として商業そのほかの業務の利便増進を図る地域。
近隣商業地域近隣住民の日用品を供給する店舗など業務の利便増進を図る地域。 住居用地域のなかでも、マンションの場合は、第二種低層住居専用地域か第二種中高層住居専用地域がよい。
第二種低層住居専用地域は3階まで、中高層は5階建て程度と考えておいてよいだろう。 第二種低層ではコンビニエンスストア、理髪店や美容院など、第二種中高屑では中規模のスーパーマーケットなどは認められているけれど、第一種低層住居専用地域はもっと規制が厳しいから、街並みは閑静なんだけど生活の便利さという点ではどうでしょう。
 ただし、建物が建つ土地そのものがこうした用途地域でも、道路の向こう側まで確認しておかなくてはダメだ。 これは、役所や出張所でその自治体の用途地域を記した地図を人手して確認できる。
自治体の境に近い場合は、もちろん隣接する自治体の分もチェックしておこう。  役所に行くときには、都市計画図(1000円くらい)も手に入れよう。
自治体によって担当する課の名前が違うから、受付で聞いてごらん。 この図には、建築計画が出ているおもな建物や道路の建設予定が入っている。

真ん前が幹線道路になったり、近くにゴミ焼却場や斎場の建設予定がないか、買ってから分かった、では手遅れだから、どのマンションにするかしぼられてきたら見ておくとよいだろう。  役所に行ったら、ついでに日影に対する規制がどうなっているかも調べてみよう。
将来的に自分たちの部屋が長時間にわたってほかの建物の日陰になることがないか、これはマンションの資産価値にも関係してくる大事なことなんだよ。  用途地域ではないが、自治体の条例によって建物の高さや形状、外壁の色などが規制されている場所もある。
これは、将来の塗り替えや建て替えのときにも制限がある、ということだ。  ところで、建蔽率と容積率の関係から、敷地には建物をいっぱいに建てられるわけではないね。
そこで、高層の場合は周囲を緑地にしたり、郊外で団地のように何棟も建てるような場合には敷地内に公園をつくったりすることがある。 これは自然が近くてよいという反面、植栽の手入れで農薬を散布することもある。
こういうときには子どもを外で遊ばせることはもちろん、ベランダに洗濯物や布団を干すことも控えたほうがいい。  では、公園が近くにあるのならよいだろうか。
これも、一概には言えないんだ。 個人が所有する土地で、空き地となっている場所を公共用に解放している場合がある。
所有者がその土地をデベロッパーに売ってしまえば、そこにマンション建設がはじまるわけだ。 目の前に同じようなマンションが建ち、日陰になってしまうことがあるかもしれない。

これも、事前に確認しておきたいことのひとつだね。 整備されている空き地=公園、と思いこまないこと。
まあ、遊具がある公園ならだいじょうぶ、かな。  ところで、Y子さんは「北向きと墓地の隣」はいやなようだけど、墓地っていうのは、将来的に更地にして建物を建てることは考えられないから、日照が確保されていいんだよ。
ただ、お彼岸の頃は人の出入りも多いし、風向きによってはお線香の香りが絶えないこともあるかもしれないね。 どうしてもお墓が怖い、という人もいるから、無理にはすすめないけど、Y太君がもう少し大きくなって言うことを聞かないときに「お墓に連れてくよ!」というのが殺し文句になるっていうメリットもあるぞ。
 ところで、実際には南向きとして売られている部屋でも、3LDKでリビングは確かに南側にあっても、2室は北側、つていう間取りの物件は多いってことは知ってるだろうね。 もちろん、全室南向きがあれば、それはよいだろうけど、方角がよくても、さっき言ったように、目の前が別の建物で遮られてしまうような可能性があるところは、しつこいくらいに確認して、なんならメモ書きでいいからサインをもらっておくことだ。
 東や西向きの部屋は、午前、午後に日差しが限られる。 ということは、その数時間以外は昼問でも電気をつけなくては暮らせない、ということだ。
さらに、冬は日差しがなければ暖房費がかかるし、逆に西向きの部屋の夏は暑くて暮らせない、とり忿戸が多い。 ブラインドや簾を下げても、気密性が高いだけに、暑い空気が抜けないから、エアコンを入れてもあまり利かないんだ。
西日に限らないが、日差しが入る位置とテレビやコンピュータの画面の関係も考えておいたほうがよいだろう。  では、北向きは本当にダメか、というと、そうとも限らない。
たとえば、建物が密集しているような場所では、南向きでも日照が確保できない。 それよりは、北向きでも採光方法を考えてあれば、案外明るさが安定していることもある。

Y子さんはしばらく仕事に出ないということだから、当てはまらないけれど、たとえば日中いつも不在なのであれば、とくに南向きにこだわる必要はないんじゃないか。 確かに、冬は部屋が寒いわけだけど、金額とライフスタイルのバランスを考えれば、北、という選択肢を最初から外すことはないだろう。
みんなが南にこだわりすぎるから、周辺環境があまりよくなくても南、というだけで値段が高くなっているものがあるんだ。  常識と言われていることも、自分たちにとってはどうか、立ち止まって考えてみることが必要なんだよ。
「通勤条件と生活環境が両立することはまずない」か。

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